〜パラオの起源にまつわる伝説〜
日本から南に3000km下ったところ、海のど真ん中にぽかりと浮かぶ小さな南洋の小国・パラオ共和国。
“BELAU(パラオ語でおとぎ話の意味)とも呼ばれ数々の伝説が残る。
地形的には隆起したサンゴ礁と火山島から成り立つ国であるが、パラオ人の言い伝えではそうでない。ここパラオという国は神様の体から成り立っていると言い伝えられている。
そもそもパラオは昔存在しておらず神々が作り上げたとされる。
遠い昔、海のど真ん中に暮らしていたシャコガイが島の起源を作り出した。そのシャコガイは海の砂を盛り、
小さな砂の島を海の真ん中に作った。その島に宿った3人の神の子供の1人がパラオで有名な“Uab”である。
巨人の子供であったとされ、シャコガイの作り出した小さな島に出来上がった村中の食べ物を食べ、村人を苦しめたと言う。
そこで村人はこの巨人Uabを懲らしめるべく計画を練る。
その計画は、村でのお祭りにUabを招待し、そこで騙して足をロープで縛り、足元に火をつけると言うものであった。
そんな計画を知らないUabは、まんまと騙されお祭りにやってくる。またそこでも、上手に言いくるめられて足まで縛らせてしまう。
村人はせっせと食べ物を運びUabの様子を伺いながら足元にとうとう火を放った。
当然足を縛られているUabは身動きがとれず逃げ切れず死に絶えて、海へと体を倒した。
その体が散りばめられて出来たのが今現在パラオに残る無数の島々とされている。
その時、Uabの足であった場所は現在のペリリュー島、アンガウル島を作り出し、コロール島、またその周辺の無数の小島
(ロックアイランド)はふくらはぎや太ももが散りばめられたものとされる。
また、コロール島の北に広がる広大な台地・バベルダオブ島はこの神の子Uabの体(胴体)の部分とされ、
その先端に位置するガラロン州は頭を形作っている。
人間においても重要とされる頭は、先祖代々神々の宿る場所として知られ受け継がれ、現在でも神様が見守る地として知られている。